大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)1721 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人Aの負担とする。

理 由

被告人Aの弁護人筒井源吉の上告趣意(後記)について。

同第一点について。

所論は、原判決が憲法三一条及び三九条に違反すると主張するのであるが、実質

は原判決の法令違反を主張するに帰し、上告適法の理由にあたらない。そして昭和

二二年政令第一六五号と臨時物資需給調整法とは全くその立法目的を異にし、従つ

てまたその法益も構成要件も異なるのであるから、第一審判決が被告人の行為を判

示のように右両法のいずれにも違反し一個の行為にして数個の罪名に触れる場合に

当るものとして処断し、原判決がこれを是認したことについてなんら違法はない。

(参照昭和二五年(れ)第一一二六号同二六年二月二〇日第三小法廷判決、集五巻

三号四〇三頁、昭和二四年(れ)第一七二八号同二五年七月一三日第一小法廷判決、

集四巻七号一三一九頁)。

同第二点について。

所論は、事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条にあたらない。また第一審判決

挙示の証拠によれば、被告人に対する判示事実特に被告人が、本件の石油製品が連

合国占領軍の財産であることを認識していた事実を認めることができる。

その他記録を精査しても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

被告人B弁護人中野忠治の上告趣意(後記)について。

論旨第一点は事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条にあたらない。のみならず

第一審判決の挙示する証拠により判示の事実は充分に認めることができる。また論

旨第二点は量刑不当の主張であつて刑訴四〇五条にあたらない。

- 1 -

その他記録を精査しても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて同四〇八条一八一条(被告人Aに対し)により主文のとおり判決する。

この判決は、裁判官全員一致の意見である。

昭和二七年一一月一八日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!